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キラーB  作者: 獅子奉篁
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杉尾が割ったものとは反対側の窓ガラスに、銃弾が撃ち込まれた。

ガラスは大きな音とともに砕け散っていた。



「窓から死角になる場所に移動しろ」



堀田がみなに指示を出した。

里奈は棚の裏に小さな身体を滑り込ませた。

白井は堀田の肩を抱き、絵画用三脚の陰に移動した。

途中、堀田は白井の耳元で囁いた。



「隠れたまま、すべての窓に注意を向けろ。

何か見えたら、かまわず撃て。

責任はすべて俺がとる。

おまえが死んだら、他の者も殺される。

人の命がかかってる」



白井はうなずいた。



突然、杉尾が立ち上がり、走った。

数歩でドアにたどり着くと、手錠がついたままの手で鍵を開け、ドアを開け放し、アトリエの外へと飛び出した。



「くそっ」



堀田が舌打ちした。

杉尾は外に立てかけてあったバールを両手で持つとドアに叩きつけ、そのまま走り去った。

ドアは空いたままとなり、外からは丸見えになった。



「どうして?手錠がついたままなのに」



里奈が呆気に取られ言った。



「ここにいる全員を殺し屋に殺させ、後から手錠のキーを手に入れるつもりなんだろう。

全員が死ねば、裏で悪党どもとつながってることも知られずに済む」



堀田が吐き捨てるように言った。

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