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「ああん、もう!」
里奈は、頭を数度横に振った。
いくら考えても分からず、ベッドの上に体を大の字に投げ出すと、天井を見つめた。
そのまま10分あまりが過ぎた頃、ある考えが浮かんだ。
里奈は飛び起きて財布を開けると、中身を取り出した。
千円札が2枚にたくさんの硬貨、あとはコンビニやアニメショップ、ホームセンターのポイントカード、さらに、いくつものレシートが出てきた。
里奈は、何かを懸命に探していた。
「あった」
それは、1枚の名刺だった。
桐原からもらったもので、彼のアトリエ兼事務所の住所が記載されていた。
もし、ここにまだ絵が残っているなら・・・・・・
その絵が写真に写らないとしたら・・・・・・
「確かめなくちゃ」
里奈は、大慌てで着替え始めた。




