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キラーB  作者: 獅子奉篁
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視線の先では男が2人、路上の別の場所に倒れていた。

里奈を追っていた男たちに違いなく、長髪の男はうつぶせに、短髪の男は仰向けに倒れている。



里奈は、さらにその先に視線を移した。

薄暗い照明の灯ったバーの手前、陰になったところに、白く巨大な物が立っていた。

それはあまりにも大きかったが、動かないでいると、まるで店舗のマスコット人形にも見える。

だが、それは、ゆっくりと前方に倒れるようにして前足をコンクリートの上に着き、四つ足になった。



巨大なシロクマが都会の夜の路地に佇んでいる。



どうやって、ここへ?



シロクマが男たちを殺したの?



いろいろな考えが次々と浮かんだ。

そして・・・・・・



次はあたし、だ。



里奈は震える身体で、この巨獣から遠ざかろうとした。

だが、腰が抜けて、立ち上がることが出来ない。



男たちから逃げたと思ったら、次はシロクマ!

男たちは殺さないと言ったが、動物は容赦してはくれないだろう。



里奈は半泣きで、這ったまま逃げ出した。

アスファルトが膝頭に当たったが、恐怖でほとんど痛みを感じない。

どうにか逃げようとするが、焦れば焦るほどまったく進まなかった。



不意に、シロクマがゆっくりと長い首の先にある顔をこちらに向けた。

倒れたままの里奈とシロクマの目が合った。



「あ・・・・・・」



里奈の口から声が漏れた。

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