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キラーB  作者: 獅子奉篁
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桐原京介が殺された事件には、杉尾自身が関わっている。



「あの事件はすでに犯人が捕まった。もう終わったことだ」



杉尾は不機嫌そうに言った。



「私は疲れてるんだ。

それに、このところ事件が続いたおかげで忙しくてね。

もう、いいかな」



杉尾はタクシーに乗り込もうとした。



「私、ずっと見張ってたんです。あの店に入る時、あなたは小さな鞄しか持っていませんでした。でも、今あなたは大きな紙袋を持っています。

その中には何が入ってるんですか?」



里奈はじっと杉尾を見据えている。

杉尾は思わず紙袋を強く抱き寄せた。

紙袋の表面にシワが刻まれた。



「あの店に玉川という人が入って行きましたね。

あなたとはどういう関係なんですか?

その紙袋とも関係があるんですか?」



「くだらんことを。

これは店からもらった土産の品だ」



杉尾は怒鳴り声を上げると、構わずタクシーに乗り込んだ。

里奈は後部座席に駆け寄ったが、杉尾が住所を運転手に告げると、すぐに車が走り出した。



里奈から逃れることは出来たが、杉尾のいら立ちは収まらなかった。

杉尾はスマートフォンを取り出し、電話をかけた。

相手はなかなか出ず、杉尾はタクシーの後部座席で体を小刻みに揺すりながら、車窓から夜の街を見続けた。



「はい、玉川ですが」



しばらくして電話に出たのは、玉川だった。

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