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「決めたって、何を?」
神田が恐る恐る尋ねた。
里奈がショックのあまり、会社を辞めると言い出すのではないかと考えていた。
「桐原さんが殺された事件、私が調べます。
そして、必ず真相を暴きます」
里奈の言葉に、皆が唖然となった。
「そんな、無茶だ。危なすぎるよ」
「無茶でも何でもやります。やるって決めたんです。
だって、変じゃないですか。
どうして桐原さんは殺されたんですか?
どうして命を狙われなくちゃならなかったんですか?」
里奈は興奮状態になっている。
徳丸が里奈の前に進み出た。
いつになく険しい顔つきをしている。
「おまえ、何言ってんだ。
もうちょっとで殺されるところだったんだぞ。
おまえは当事者なんだ。ちっとは自覚しろよ」
徳丸はさらに続けた。
「警察関係者の話じゃ、犯人は金で雇われた殺し屋らしいぜ。
捕まってムショに入るのも覚悟のうえで人殺してんだよ。
何で人殺すかわかるか?金だよ、金。
そいつらに大金を払って殺しを頼むヤツがいるんだよ。
今回殺したヤツだって、刑期を終えれば刑務所から出てくるんだ。
そいつは国に帰ったら大金持ちになってるんだよ」
「そんな、人殺しをしておいて、そんな。
私、許せません。おかしいじゃないですか。
人殺しを頼んだ人間がいるなら、必ず探し出します」
里奈は、感情むき出しで言った。




