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キラーB  作者: 獅子奉篁
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「あっ」



白井の口から声が漏れた。



篠原が白井に何の連絡もなく、男に向かって歩いていく。

大柄な上、動作も大きいため、やけに目立つ。

篠原がまったく予期せぬ行動をとったため、白井の思考は一瞬停止した。



篠原がもう少しで男に接触しようかという時、男は不意に血相を変え、バッグも放り出し走り出した。



やばい、逃げられる!



白井はすぐに走り出した。

篠原も大声を上げ、男を追い始めた。



突然、女性の悲鳴が聞こえた。

続いて、どよめきが起きた。

白井は、走りながら、ちらと横目でそちらを見た。



辺りが騒然とし、パニックで逃げ出す人と、立ちすくむ人とがいる。

その先に、里奈の姿があった。

だが、それだけではない。

里奈の首には、背後から何者かの片腕が回されている。

里奈の顔は恐怖のあまり引きつっていた。

里奈の後ろにいるのは、白井がまったくマークしていなかった男で、黒のTシャツにデニムパンツ、靴はスニーカーを履いており、もう一方の手には、刀身が長めの山刀のようなナイフを握っていた。


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