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「彼に迷惑をかけたくないので、今は名前と連絡先は言えません」
里奈が言うと、堀田と白井は顔を上げた。
「ただ、4日後にまた会うことになっています。
その時、彼に話を聞けばいいと思います」
言い終わると里奈はうつむき、重苦しいため息をついた。
堀田と白井は、その後も里奈から男の情報を聞き出そうとしたが、里奈は頑として話さなかった。
2人はあきらめ、4日後、里奈と男が会う際に話を聞くことにし、その場を後にした。
「男は本当に来るでしょうか?」
啓示社の入った雑居ビルの外に出ると、白井が堀田に聞いてきた。
「わからん」
堀田は険しい顔で言った。




