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「何です?」
堀田が身を乗り出して尋ねた。
「絵です」
「絵!」
堀田と白井の口から同時に声が漏れた。
「私、スケッチしてあった絵を写真に撮ったんです。
でも、後で現像したものを見たら、何も写ってなかったんです」
堀田と白井は顔を見合わせた。
署長の杉尾が言った、『犯人は絵を使って殺人を行っている』という話が頭に浮かんだ。
「それは何の絵ですか?」
白井が尋ねた。
いてもたってもいられぬという様子である。
「サメの絵でした」
里奈の言葉に、堀田と白井はまたも顔を見合わせた。




