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「静かにしろ!警察の聞き取り中だぞ」
堀田が言っても2人は収まらなかった。
堀田と白井は、2人が大人しくなるまで待たなければならなかった。
「里奈さん、あなたは確かにそのオウギワシという鳥を写真に撮ったんですね?」
ようやく静かになると、堀田は里奈の顔を覗き込みながら尋ねた。
里奈はうなずいた。
「あの時、私はオウギワシの写真を何枚も撮りました。
ほとんどの写真が、飛んでる時ではなくて、木の枝に止まってるのを写したんです。その全部が撮れてないなんて有り得ません」
「どうだかねえ」
徳丸が馬鹿にするようにつぶやいた。
里奈は横目で徳丸をにらみつけた。
「あっ」
里奈が急に声を上げた。
「どうしました?」
「オウギワシは、あの事件現場にも居ました」
里奈は、徳丸の方に身体を向けた。
「ほら、高い塀の上にオウギワシが止まってた時ですよ。
先輩もカメラで撮れって言ってたじゃないですか」




