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「わからないなら、わからないでいいんですよ。
警察もいまだにこの事件の全容がわからないんだからね。
気づいたこととか、あなたの考えとか、何でもいいんです。あったら教えてくれないかな」
堀田は徳丸に対する時とは異なり、ソフトに話している。
促されるように、里奈は口を開いた。
「どうしてサメが写真に写らなかったのか、それは分かりません。
ただ、撮影したのに写らなかったものは他にもあります」
里奈の言葉を受け、堀田と白井は顔を見合わせた。
「それは何ですか?
あの場に、サメ以外で写真に写らない、別のものが居たというのですか?」
堀田の問いに、里奈は首を横に振った。
「あの場所ではないです。
私、前に林の中でオウギワシをカメラで写したことがあるんです」
「オウギワシ?」
堀田、それに白井も首をひねった。




