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「この写真には、マル害が何か生物のようなものに襲われた瞬間が写っています。加工されたかどうか調べてみましたが、写真には手が加えられていないという結果でした」
「そうなのか」
杉尾は写真を見つめたまま言った。
「写真を撮ったのは雑誌社の者ですが、マル害がサメに襲われたと言っています」
「サメ、だと?」
「はい。その言葉が信用できるかどうかはわかりませんが、一応ご報告を」
堀田の言葉を聞いた杉尾は、椅子に座ったまま考え込んでいた。
自分の言葉が一生に付されるだろうと考えていた堀田にとって、この対応はかなり意外だった。
「調べる必要があるな」
「え?」
杉尾の言葉に、思わず声を漏らしたのは白井だった。
驚いたのは堀田も同様で、どうにか声を出すのをこらえた。




