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ぱらぱらとページをめくっていた手が止まった。
堀田は雑誌を二つ折りにして片手で持つと、顔の前に近づけた。
「キラーBか・・・・・・」
「あの徳丸っていう記者が書いた記事ですね。一連の殺人を同一犯によるものと仮定し、犯人が獣、つまりビースト(BEAST)のようだから、そのイニシャルをとってキラーB。さすがは雑誌記者、上手いネーミング考えますね。ネットでも浸透してきてますよ」
堀田は、なおもじっと雑誌を凝視している。
「まったく、犯人は、動物を自由に操れるヤツとでもいうんですかねー」
「それも考えた。一応な。だが、マル害を殺した生物が、どっから現場に入り、どこに消えたのか、その説明がどうしてもつかん」
堀田は、雑誌を見たまま言った。
「まあ、そうですよね」
白井の声はトーンダウンしていた。




