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「どういう意味なんですか」
行橋が尋ねた。
「そうだな。まず、『キラー』については説明要らないだろ。
なあ、里奈?」
徳丸に振られた里奈は、あごに手を当てて困ったような顔つきになった。
「うーん、『嫌い』っていう意味ですか?」
自信なさげに言った里奈の額に、徳丸はすぐさまデコピンをした。
しかも、まったく手加減することなく。
「いたっ、何するんですか」
里奈は額を手で押さえ、しゃがみこんだ。
「脳みそあんのか、おめえは、幼稚園児かよ」
「『キラー』は『Killer』、殺人者ってことですよね。Bがわからない。イニシャルなんでしょうけど」
行橋は両腕を組んで考え込んだ。
「そう、Bはイニシャルだ。わかるかなー」
「うーん」
行橋は、なおも考え込んだ。
「はい、はい、わかりました!」
里奈が手を挙げて、立ち上がった。




