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キラーB 14
「どういう意味だ?」
「自分、ファンだったんですよ、安永さんの。
それで、亡くなる前もですが、亡くなった後もネットでいろいろ見てたんです」
「俺たちは警察の人間だぞ、そんなもの見るな」
「はい、すみません。
ただ、事故を起こした車に乗っていた玉川は、かなり悪い噂のある人物です。
ネットでは殺されたんじゃないかと」
「あれは事故だ。
というより、間違いなく飛び込み自殺だ。
どうして全裸だったのかは分からんが」
堀田は白井の言葉を遮るように言った。
「ですが」
「俺があの場に立ち会ったんだ。間違いない。
そして、玉川さんの側には何の落ち度も無かった。
そもそも、あの人は運転していない」
「しかし、警察もマスコミもあの事故をまったく報じないというのも」
「そんなこと、俺は知らんよ」
堀田は窓の外に顔を向けた。
ビル街を走る車の多くが、ライトを灯し始めていた。




