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キラーB  作者: 獅子奉篁
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翌日の午前中、堀田と若手の白井が徳丸たちのいる啓示社を訪れた。


「誓っていじったり、CG加工なんてしてませんから。

全部、ウチの新人の沢田里奈があの場で撮った写真ですから」


堀田と白井を前にして、徳丸はくどくどと話している。

その横では、里奈が肩をすぼめ、うつむいていた。


写真なんて、元々無かったんだろ。なにが交換条件だ。


徳丸の態度に、堀田の顔がみるみる不機嫌なものに変わっていった。


「いいから、早く見せてくれ」


堀田に強く言われ、徳丸はしぶしぶ写真の束を机の上に置いた。

堀田と白井は、写真を一枚づつ手にし、凝視した。


徳丸は、両腕を組んだまま数センチづつ、じりじりと堀田から離れていく。

あわよくば逃げ出そうという腹積もりである。

一方で、里奈はずっとその場でうつむいたままだった。


「これは何なのかね?説明してもらおうか」


堀田が1枚の写真を無造作に机の上に置いた。


プールに浮いたマットに手をかけた被害者の男が、恐れおののき、後方を振り返っている写真だった。

しかし、男の背後には何も写っていない。


この時、徳丸はすでに堀田たちから5mも離れた場所に立っていた。

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