140/341
139
徳丸と里奈は、さらに庭の奥に進もうとしたが、すぐさま2人の警官が立ちはだかった。
「現場検証中だぞ、勝手に入るな」
警官の1人が言った。
だが、徳丸は少しも怯まなかった。
「上の人間に話がある」
徳丸は警官に構うことなく、さらに進もうとした。
「おい、ちょっと待て、おい」
警官二人が徳丸を取り押さえようとしたが、徳丸はそれをふりほどいた。
広い庭では、大勢の警官と鑑識が、現場であるプールと庭、屋敷の中に至るまで検証していた。
その中に、立ったまま話をしている2人の刑事がいた。
一人は堀田で、もう一人は190近くはあろうかという、がっちりとした体格の篠原である。
篠原は侵入してきた徳丸と里奈に気づくと、ずかずかと近づいてきた。




