表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キラーB  作者: 獅子奉篁
138/341

137

「おまえ、こんな時にふざけんてんのか」


「ふざけてなんかないったら」


徳丸は下から里奈の顔を見上げた。

もともと色白だった顔は、すっかり青ざめていた。


「うわああー」


サメの攻撃はなおも続き、そのたびに男が悲鳴を上げた。

だが、その声はしだいに弱まり、プールの水はますます赤く染まっていく。


「何やってんだ、早く写真を撮れ」


「え?そんなこと言ったって、こんなの」


「いいから早くしろ」


「は、はい」


里奈は徳丸に肩車されたまま、カメラのシャッターを切った。


男の体はしだいに水中に引きずり込まれていき、断末魔の叫びが上がった後、完全に没した。

激しく気泡が上がった後は、水面に突き出たサメの背びれが、赤く染まったプールを動き回るのだけが見えた。


屋敷の中から男たちが出てきた。

それと同時に、プールからサメが消えた。

入れ替わるように、無残に喰いちぎられた男の死体が浮かんできた。


大の男数人が、プールサイドでパニックになっていた。


徳丸に肩車されたままの里奈は、言葉を発することはおろか、考えるという行為が出来なくなっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ