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塀の外では、徳丸が相変わらずゲームに興じ、里奈はへたり込んでいた。
塀がかすかな影を作り、2人はそこにへばりついていた。
だが、塀の壁もアスファルトも焼けるように熱い。
「まだまだ長いんだからな。
へばってんじゃねえぞ」
徳丸はゲーム機の画面を凝視したまま言った。
「そんなこと言ったって。
何か飲み物買ってきてもいいですか」
里奈の目はすでに虚ろになっていた。
立ち上がろうとしたが、身体が言うことを聞かない。
不意に、頭上から「バサッ」という音がした。
「鳥が翼を羽ばたかせるような音だけど、それにしてはやけに大きいな。
やばい、もしかして幻聴?」
里奈は、ぼんやりと顔を上げた。
頭上では、塀の上に1羽の大きな鳥が止まっていた。
「あ・・・・・・」
それは、徳丸と里奈が追跡していたオウギワシだった。
さらに、鳥は以前と同じように、くちばしに紙をくわえていた。




