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キラーB 12
翌日も現場検証が行われたが、進展は無かった。
ただ、一つだけ分かったことがあった。
鑑識に回された死体や部屋に残っていた液体からは、タコと同じタンパク質が検出されていた。
この日、現場検証が終わった頃にはすでに陽も落ち、堀田は部下の白井とともに警察車両に乗り込んでいた。
運転席に座る白井は25才。
この春、堀田の班に配属されたばかりである。
成績優秀で見た目も悪くない。
その上、勤務態度も真面目で非の打ち所がないが、融通が利かないという一面がある。
ただ、それは経験を積んでいけば良くなっていくだろう、堀田はそう考えている。
後部座席に座る堀田は黙り込んでいた。
その顔には疲労の色が濃く見えた。
車は、署ではなく、堀田が指示した場所へと向かっていた。




