表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キラーB  作者: 獅子奉篁
117/341

116

徳丸と里奈は、現像された写真を受け取るため、社の廊下を歩いていた。

里奈が小動物のようにちょこちょこ歩くのに対し、徳丸はだるそうに進んで行く。


「何か言ってくださいよ」


里奈は、なおも徳丸に食ってかかった。

徳丸は、珍しく黙り込んでいた。


2人は現像室の担当から、里奈が前日に撮影した数十枚の写真を受け取った。


徳丸は、その場で一枚一枚写真をめくった。

一方の里奈は、徳丸の横で、まだイラついていた。


写真を見ているうちに、徳丸の表情がみるみる変わっていった。


「偉そうなことは、人並みに仕事が出来るようになってから言うんだな」


徳丸は、叩きつけるように里奈に写真の束を渡すと、足早にその場から立ち去った。


「偉そうなのは、どっちだっつーの」


残された里奈は顔をしかめて悪態をつくと、渡された写真に目を通していった。


「あれ?」


最初は不思議に思いながら見ていた里奈だったが、しだいにその顔から血の気が失せていった。


「写ってない。これにも、ここにも」


里奈は渡された写真の束を次々にめくっていったが、そのどれにも前日撮影したはずのオウギワシは写っておらず、ただ生い茂る樹木があるばかりだった。


「そんな、間違いなく写したはずなのに・・・・・・」


里奈はしばらくの間、呆然とその場に立ち尽くしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ