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女性の客室係が電話をしてすぐに、男性スタッフ2人がエレベーターでこの階に駆けつけた。
一人は統括している上司で、チーフと呼ばれていた。
もう一人は、がっちりとした体格の男で、先が二股に別れた護身用の長い棒を手にしていた。
「何があった?」
チーフが女性客室係に尋ねた。
「わかりません。
部屋の中からは、お客さまの悲鳴と大きな音、それに動物のうなり声のような音が」
「動物のうなり声?」
チーフは不審な表情を浮かべつつも、この部屋の鍵を取り出した。
「とにかく開けるぞ」
ルームキーがかざされ、チーフはドアノブに手をかけた。
「失礼いたします。
お客さま、大丈夫でしょうか?」
ドアが少しづつ開けられ、部屋の中が徐々に見えてきた。




