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No.8 ぬりかべという妖怪と



 出会うとそこから先へ進めない。怒らせると押し潰されて死ぬ。だが今死ぬわけにはいかぬ。出会ってしまった私はどうか消えてくださいと必死に頼む。だめ。次に寄り添い微笑みながらキスをする。少々反応あり。ちょっとだけ後退してくれた。よしよしこの調子と思ったらまた進まなくなる、というより視界が黒くなってきた。焦った。私は最後の手段として後ろ向きに歩いて元の方向に戻る。これで治るはず。すると時代劇の光景になった。通行人が全員着物で歩いている。パラレルワールドに飛んでしまった。私はあわてて前進しぬりかべに寄りかかる。

 これ幸いと戻らぬ人もいるが、私には幼い子どもと要介護の両親がいる。行く手を阻むぬりかべに涙ながらに事情を説明する。それからもう一度深呼吸をして一か八かの突進をした。あ、抜けた。安堵のため息が出た。今日はこれで済んでよかった。明日も切り抜けられるかな。



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