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No.43 豪華客船
それに乗船すると時間の流れがゆったりで何も考えずに食べたいものを食べたいだけ。寝たければ好きなだけ寝ることができる。
A子は疲れていた。だから定年退職と保険の満期でまとまったお金が入ると、すぐに申し込んだ。家族や友人がいないので一人だ。一番安い部屋にした。長年の夢がやっとかなった。身体が動くうちは好きなことをしよう。中古のロングドレスを二着購入し、社交ダンスを基礎から教えてもらって毎晩踊った。疲れたら眠り、起きたら食べる。夢のような時間が過ぎた。気が付くと半年以上がたっていた。
フロントに行って「下船したことがないのに今気づいたが私は大丈夫か」 と、訴える。天女のコスプレをした美しいマネジャーが出てきた。
「これは客様だけの特殊な浦島太郎現象でございます。超過代金不要ですが目覚めたので次の港で降りてもらう」
記念品としてリボンのついた正方形の箱をもらったがA子は怖くて開けられない。




