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No.34 夫を出産してみました



 不妊治療中の私は、どうでも経膣出産を経験したい。私を一途に愛してくれる夫は言った。

「これから僕は君の子宮に入る。そして君の産道を通って出てくる。多少の腹痛は陣痛だから我慢してね」

「どういう事?」

「魔法使いに頼んで不可能を可能にしてもらった」

 夫が縮み消えた瞬間、私の下腹部が大きく膨れた。同時に重苦しい痛みがでた。これが陣痛か。私は病院に行かず、お湯を沸かし消毒済みのはさみと清潔なタオルを用意した。陣痛は八時間を超え私は痛みに耐える。もう限界だと思ったその時にやっと夫が産まれた。想像していたとおり、この時の解放感と多幸感は素晴らしかった。

「ぉぎゃー」

 私は赤ちゃんとなった夫のへその緒を切って小さくなった夫にキスをする。

「あなた、ありがとう。もう元に戻っても大丈夫よ」

 ところが戻らなかった。私は夫の失踪届けを出し、シングルマザーとして子育てをする。いろいろと大変ですわよハイ。



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