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No.31 ミケネコの女王



 あいつはあたし専属の奴隷で人間仲間からは嫌われている。殺し屋だから当然か。あたしの世話の合間に愚痴をいうのでわかる。それはどうでもよい。きちんと尽くしてくれたら外では何をしてもよい。ほら今日も血の匂いをさせながら帰宅してきた。シャワーを浴びる前にご飯を用意させよう。

「ミケ、よしよし」

 あたしはご飯を食べながらぐったりしたあいつを眺める。髪の毛がなくなり、しわも増えて老けた。涙もある。

「ミケ…仕事がつらい」

 よほど、疲れているようだ。たまには奴隷にボーナスをやるか。あいつのおなかに乗り前足を交互にふみふみする。目論み通りすぐ寝た。じゃ出勤するか。あたしは羽を伸ばし、前足から情報を得たあいつの敵を探し出しニャアと鳴いて油断させた隙に首を噛んで殺す。速攻帰宅して毛繕い。

「あ~ミケ、よく寝た」

 どういたしましてとあたしはそっぽを向く。一つ仕事を減らしてやった分、しっかり働きなさいよ。




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