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No.28 救い救われ鳥
引きこもりの息子からどうしてぼくを産んだのかと絶叫され老母からは施設に入れた恩知らずと便をつけた手で叩かれ夫からは家業がうまくいかないのはお前のせいだと殴られ一体この人生のどこに希望があるのか私は足元に目を落としてうなだれるスズメが出てきて私の足をついばむハトも出てきて私の膝の上に乗るメジロやヒバリ、ウグイスたちが私の涙をくちばしで吸い取り羽で私の肌を優しく撫でるああそうね対人間はダメでも小鳥ならば生きていけると私も微笑み目を閉じ小鳥に変化する人間の世界で心折れた心優しき心弱き人々も小鳥になり後から来た私に目礼する
自然は厳しいが心は穏やかそれが大事そして私は思いきり羽ばたいて空を仰ぎ命尽きるまで歌うのよそれから今日もまた傷ついて涙する人を見つけては大丈夫かとそっと見守り小鳥好きなら安心して寄り添うのそして一緒に小鳥になって一緒に過ごして一緒に歌いましょうと誘ってあげるのよあぁめぇん