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No.24 美容外科医の腕
私は絶世の美女になりたくて、働いて金を貯めた。天才美容外科医を見つけて望み通りの容姿になった。しかし定期的に法外なメンテナンスを受けないと顔が崩れてくる。私は彼のカモネギだった。他にも被害者がいて、結託することにした。医師たる倫理観がない人間には何をしてもよかろう、というわけで、寝ているところを襲撃して腕を刈り取る。私たちは外科医としての腕さえあればよい。今まで搾取された報いとして無料奉仕を受ける。ところがだんだんと不細工になってくる。腕に怒ると目が見えないからですと開き直る。医師の死体は荼毘に付されているので私たちは今度は天才美術家の目を採ってきて腕に与えた。するとよけいに変になってきた。
「ちょっと、どういうことよ」
「私はピカソを尊敬していますのでどうしてもこうなります」
畜生と今度は普通の社畜の目を刈ってきた。集団アイドルのよくある顔になった。絶世の美女でなきゃいやん、不満足。