表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/50

No.23 激情



 大きな目玉が俺を見つめる。もう一人の俺がその目玉の中にいる。それが嫌で俺は顔をそむける。同居のオカメが忠告する。

「私達は飼主の温かい眼差しのおかげで生きている。尊敬せよ」

 オカメは飼主のもとで日向ぼっこをする。オカメが戻り、扉が開いた瞬間俺は外に飛び出す。あぁ空気のおいしいこと。広いこと。あとは羽ばたくだけだ。空へ、上へ。できるだけ太陽に近づく。だんだんと呼吸が苦しくなってきた。この感覚を覚えている。いや思い出した。俺はなぜ森ではなく太陽に向かうのか。できるだけ近づきたいのか。大いなる熱き目玉、太陽の中に、翼に火がつき逆に遠のいていく俺の姿を認めた。あぁ俺はイカロスだった。真っ逆さまに墜落しながらも、今回も精一杯やったと感じた。でもこれあと何回くりかえされるのかな。海の中に頭から落下する俺をたくさんの飼主共が指さして罵り拍手をする。劇場内の海の中に頭から落ちる。またイチから挑戦か。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ