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No.21 まるたんぼう



 山で切られてどこへ連れて行かれ別の何かになるのは承知していた。僕と同じ眷属の木々とはテレパシーで通じている。いつかはどこかの木造建築になる運命だから不安がるな、と励ましてくれた。僕らのトップは、宮内庁管轄の神社や宮中の神殿に使われている神木たちだ。

 人間はそんなこと知らぬから、僕を適当な長さに切った丸太にしてトラックで積んでいく。途中で外国の船で運ばれてきた木々ともテレパシーで話し合った。彼らは一戸建ての家に使われるそうだ。大事にしてくれる人間の家系なら一緒に暮らしたいものだと言い合う。

 ちなみに僕の兄は児童館に使われて日々子供たちの声に囲まれている。姉は図書館で静かに過ごす。紙の本はすべて僕の先祖が変化したものだ。彼らは幸せだ。逆に弟は被虐待児童のいる家の押し入れに使われた。幼児が押入れの中で放置され、血や糞尿の匂いがついて哀れだ。

 さて、僕は一体、どこに使われるのだろうか。





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