表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海獣達の野球記(ベースボールライフ)  作者: Corey滋賀
2章 前半戦スタート
9/65

7 本物の天才


シーレックス対カール開幕戦前横浜スタジアム...


「では開幕戦のスタメンを発表する...1番センター神城、2番ライトソス、3番ファーストロベス、4番レフト筒号、5番サード宮坂、6番セカンド浪川、7番キャッチャー伊東、8番ピッチャー今永、9番ショート山戸。以上だ」


6番セカンド浪川に選手内で少しざわめきが起こった


(ドライチとはいえ開幕スタメンで打順も6番!?ちょっと早すぎないか?)


しかしルーキーながら開幕スタメンに名を連ねた当の浪川は内心愚痴っていた


(ちっ、流石に開幕スタメンマスクは無理だったか。まぁいい、もう少しでその座を奪って見せますよ...伊東さん)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


一方寮内では二軍の開幕戦を終えた和人達は食堂で名物のカレーを食べながら一軍の試合を見ていた


「浪川がスタメンで6番て...田中さんのスポナビバグったんすか!?」


「バグってねーよ!事実だ事実。テレビ見ろよ」


『...そして、今日は6番にルーキーの浪川が入っています。いやー牧原さん、ルーキーが開幕スタメンに名を連ねるとは...』


「ほんとだ、ガチでスタメンですね。監督そんなにあいつのこと信頼してるんですか」


「まぁ見た限り正直天才中の天才だからなあいつ。オープン戦ホームラン王だったし気に入られて当然ちゃ当然だな」


「ちくしょー...僕も一応ドラ2なんだし早く一軍に上がって監督に気に入られる様になんないと...」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『...宮坂のセンター前ヒットでツーアウト満塁です。ここでバッターはルーキーの浪川!さぁ牧原さん、ここは是非とも積極的に振っていってほしいですね』


『そうですねぇ...まぁ大チャンスですけどプロ初打席ですから、どんな凡退しようが誰も責めないと思うのでね。とにかく自分のスイングをしてほしいですね』


「うわー大チャンスで回ってきたな初打席」


「えぇー!?ツーアウト満塁!?で、でもどうせガチガチになって三振でおしまいですよ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


センターに弾き返す打球を見てよいしょと軽くストレッチをする


(お、宮坂さん繋いでくれたから満塁で俺か)


そこでバッティングコーチの坪田が浪川に助言する


「おい、浪川。プロ初打席、緊張するだろうが頑張って悔いのない打席にしろよ!とりあえず狙い球を絞っていけ!」


「はい、分かりました」


(緊張っつーか、楽しみで仕方ねーよ。広島のエース大瀬戸さんがどんなボール放るのか...)


『初球、カットボール見送ってストライク。いやぁ牧原さん。大瀬戸は今日全体的に球が甘いでしょうかね?』


『まぁそうですね。全球種高めに浮いてますね』

 

浪川も甘い球を見逃し少し残念そうな表情をした


(うわー、見逃しちったよ。もったいねー...)


『浪川が狙うとしたら次の球ですね。大瀬戸としては甘いコースでストライクが取れたのでそんぐらい甘くても大丈夫って思ってると思うのでね』


(さーて...次の球引っ張って仕留めますか)


狙いを定めて強振する


(インハイの甘いストレート...予想通り!)


弾き返した痛烈な打球が球場に鋭く響く


『打った良い当たりだ!!引っ張った打球はライトスタンドのポールの内か外かっ!!!...入ったぁぁぁ!!!浪川なんと初打席で満塁ホームランッ!!今、ホームイン!4ー0シーレックスが先制!これは凄い!』


『いやー甘い球ではあったんですけど、それにしても物凄い打球でしたねぇ』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はぁ!?ちょっとまって嘘でしょ!?入った...」


「すげーなあいつ、初打席だぜ初打席。やっぱ天才はちがうねぇ」


田中が浪川のバッティングに感心している時と和人の電話が鳴った


「これでもっと監督に贔屓されるんだろうなぁ...羨ましいも...ん?電話?はいもしもし...なんだ、姉さんか...なんか用?」


電話の主は和人の姉、佐々城和美(ささきかずみ)だった

彼女はBCリーグで活躍する数少ない女性プレイヤーで男に負けない最速130kmの球を投げる投手である


『なんか用?って冷めてるなぁ...あれだけちっちゃかったカズが今はプロ野球選手で寮生活なんて心配で心配で思わず電話かけたのよ』


「心配って...もういい加減に僕を子供扱いするの止めてよ!22だよ22!」


『そう...じゃあ彼女は居るの?まさかアナウンサーに目付けられた!?』


「居ないよ!この時期に彼女とかどうとか考えてらんない」


『え?じゃあ彼女要らないの?』


「もちろん欲しいよ!...ってそれは関係ないでしょ!もういい、切るよ!」


『あ、ちょ』


「ふぅ...全くお節介なもんだよ...」


「お前、お姉ちゃん居たのか」


「あ、はい姉が二人と妹が一人居ます」


「ふーん...美人なの?」


「それは人に見てもらわないとわかんないですけど...」


「うわっめっちゃお姉さん美人じゃん!妹さんも可愛いし!...あぁ、なるほどだからお前こうなったのか」


「だからこうなったって顔とか髪型の事ですか?確かに姉さんの影響もあるんですけど僕高校の時は坊主だったんですよ」


「へぇ、元からなげーのかと思ってた」


「また伸ばし始めたのは大学入ってからですかね。まぁ、練習しまくってて床屋に行く暇がなくって伸びまくって故意に伸ばした訳ではないんですけど...これ以上短くすると体のバランスが変わっちゃう気がしてちょい長めをキープしてるんですよ。顔は多分遺伝子的に女子っぽくなっちゃったのでどうしようもないですけど」


「ふーん...まぁいいんじゃね?その髪型似合ってるし...って7ー0までリード広がってるんだけど!すげぇ打線だなこりゃ」


『...三回の裏終了しまして7ー0、シーレックスが筒号と宮坂のタイムリーでリードを広げています』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【速報】浪川の先制満塁ホームランwwwwwwwww


1.風吹けば名無し

すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!


2.風吹けば名無し

まさにアーチストって弾道だな


3.風吹けば名無し

バケモンやぁぁぁ!!!


4.風吹けば名無し

贅沢は言わん

主砲になってくれ


5.風吹けば名無し

プロ初打席で満塁ホームランって日本人だと二人目らしい

ちな一人目は駒田


6.風吹けば名無し

期待の長距離打者キターーーー!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ