1 小さな豪腕
まぁ一話目だから話が短くても多少はね?
___ストラックアウッ!
「試合終了!横浜商価、県予選二回戦で敗退です!」
結局、和人は甲子園に行くことは出来なかった
もう一本打っていれば....悔し涙が止まらない
和人というのはこの横浜商価の3番ライト、佐々城和人である
和人が野球を始めたのは小学3年の頃だった
生まれつき体力が無く背の小さい和人は誰よりも練習した
確かに辛いこともあったが野球が楽しくて楽しくてしかたなかった和人はいつの間にかずば抜けた肩を手に入れ、中学三年時に140を越えるピッチャーとして一気に注目の的となったが和人は中学最後の大会でサヨナラ暴投
それが原因でイップスになってしまいピッチャー失格の烙印を押され、強豪校への道は途絶えた
それでも横浜商価で一年からクリーンナップに入り、県ベスト4まで導き、プロからの評価は低くなかったが自ら進学を志願し、大学でのプロを目指す、と練習を怠ったせいでまさかの最後の夏で県二回戦で敗退
もう、高校野球はどうでもいいと思っていたせいで皆に迷惑をかけてしまったと涙を流し続けた
そしてその数年後、和人は正教大学でピッチャーとして復活し、活躍していた
4年時に最速155の速球と鋭く落ちるドロップで三振を量産し、最優秀防御率を獲得
また、女子の様な可愛らしい顔立ちですぐに人気となり、ファンクラブもできるなど
誰もが何処の球団が和人を指名するか期待をしていた
そんな重圧を背に受けながら和人は遂に運命のドラフト当日を迎えた