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海獣達の野球記(ベースボールライフ)  作者: Corey滋賀
2章 前半戦スタート
17/65

15 新たなる変化球

しばらく不投稿してすんません

コロナやばいですね


時は過ぎ7月中旬...


浪川は打線の中核、和人は中継ぎエース、田中はユーティリティプレイヤー、ウォンは先発の柱として一軍の戦力になっていた


二軍でも、川畑は中継ぎの一角、沢は課題だった打撃の向上、カレラスは自慢のパワーを更に強化と、若手の成長が見られた


そしてプロ野球の1つの醍醐味とも言えるイベントがやって来た


「え?ボ、ボクがあのオールスターに?」


球団の広報に伝えられ和人が困惑する


「まぁそれ相応の結果残してるしな。ファン投票で中継ぎ部門一位だぞ」


「マジですか...因みにこのチームで他に誰が選出されてるんですか?」


「えっと...今長、筒号、神城、山崎、そして浪川だな」


「浪川君も選出されてるんですね!ルーキー二人が選出されるって中々ない事ですよね?」


「まー、滅多にないよな。とりあえず緊張するだろうが頑張れよ」


「は、はい!頑張ります」


その後寮に戻り、田中にその事をイキイキと話す


和人が羨ましいのか少し悪態つく


「ちっ、俺だって50試合以上出てるのにほとんど票入ってねーんだぜ?ユーティリティってのはこう言うときに不利になるんだよ」


「あはは、そうじゃなくて田中さんの影が薄いからじゃないですか~?」


「うるせぇーなぁー先週の試合俺がセカンドでファインプレーしてなかったらお前敗戦投手だったんだから少しは気ぃ使えよープロスピなら自分操作して簡単にオールスター出れるのにぃー」


田中がだらだらしているとドアをノックされる


「ん?...はーい、って浪川君か。何か用?」


「ちょっと話したいことがある。グローブと球持って近くの二軍のグラウンド来い」


いきなりの練習の誘いに困惑しながらも言われた通りにグラウンドに向かう


「話って何?」


和人が質問すると浪川が単刀直入に答える


「後半戦前に変化球を増やすぞ。できれば明後日のオールスターで試したい」


「えぇ!?いきなりそう言われても...でも確かにそろそろストレートとカーブだけじゃキツいか...中学の頃チェンジアップ投げてたけどそれ投げてみて良いかな?」


「わかった」


(久々に投げるな...中学の頃なんて思い出したくないけど...)


数年ぶりに投げるチェンジアップは三振を量産した中学の頃と同じようにストレートと似た腕の振りからいきなり手前ですっと減速して落ちた


「お?結構良くない?」


「...まぁまぁだな。今日はこのチェンジアップの精度を磨いてオールスターに備えるぞ」


「まぁまぁ?嘘つけ~、自分がバッターなら振ってるくいったぁぁ!!」


おちょくる和人の頭に左手で拳骨を入れる


「遊んでる暇は無いぞ。さっさと投げて感覚を体に染み付かせろ」


「いたた...へいへい、分かったよ」


その後和人は約4時間程度チェンジアップやカーブの投げ込み練習をした


「...うん。一応使い物にはなったんじゃないか?」


「はー...めっちゃ疲れた。でもこれでだいぶ投球の幅が広がったね!」


横たわる和人を横目に浪川が淡々と喋る


「まぁ一応な。まだまだ不安要素はある...あと、寝るときはチェンジアップの握りでボールを持って寝ろよ。じゃあな」


(相変わらず人の扱いが雑だなぁ...でもなんやかんや僕の事を心配してくれてるから変化球を覚えろって言ってくれたのかな?捕る方だって疲れるだろうし...)


そう考えて少し微笑みしばらく赤い夕焼けの空を見つめていると一人の中学生らしき少女が和人をグラウンドの外から見ていた


「ん?君もしかして僕のファンの子?」


「は、はい!よかったらサインください!」


彼女の持っていた色紙とペンを渡される


「大丈夫だよ。...はい、どうぞ」


「ありがとうございます!一生大切にします!」


「ありがとう。気を付けて帰ってねー」


彼女の後ろ姿を見送るとぽつりと独り言を呟いた


「本当に僕ってプロ野球選手になったんだな...」


不意に苦しかった過去と指名を受けた時の瞬間を思い出して涙をこぼす


ふと自分が泣いている事に気づき、そんな場合じゃないあの子のためにも頑張ろうと涙を拭いていつものように笑顔で寮に戻った


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ん?おかえり浪川。休日返上で長時間練習とは流石だな。野球バカというかなんというか」


食堂で夕飯を食べていた神茶谷が浪川の野球バカさに呆れつつ尊敬する


「だとしたら練習にまともに付き合ったあいつこそ本当の野球バカですよ」


「ん?あいつって誰?」


「...誰でもいいじゃないですか」


「なんだよそれ、余計気になるような言い方だな...あ、そうだ、球団の人が言ってたけどオールスター選出の影響もあるのかお前のファンレター凄い来てるらしいぞ。特に女性ファンの人。お前とか神城はイケメンだから凄い多いんだよ。俺も生まれ変わるとしたらイケメンになりたいもんだ」


「興味ないですね。そんなのどうせ顔や金銭目当ての女ですよ」


誰もが羨む状況を浪川が一言で一蹴する


「じゃあお前はどんな人がタイプなんだ?」


「うーん...野球が好きな人で...」


浪川にいつ頃かも忘れた記憶がフラッシュバックする


『泰助、あなたはなんでいつもお友達と仲良くできないの?』


『だってあいつらが俺についてこれないのろまだから仕方ないじゃん!』


『そんなこと言っちゃダメよ。お友達とは仲良くしないといけません』


『ヤダ!』


『もー、手のかかる子だわ...性格以外は優秀なんだけど...』


「...自分の面倒を見てくれる人、ですかね」


「ふーん、お前って自分のことは自分でやるタイプだと思ってたけど意外と甘えたがりなのか?」


「ち、違いますよ!そういう意味じゃなくて...」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【朗報】横浜のルーキー佐々城と浪川オールスター選出!


1.風吹けば名無し

横浜にもこんな新人いるんだ(*^○^*)


2.風吹けば名無し

当然


3.風吹けば名無し

ええの取ったわ!


4.風吹けば名無し

浪川は仕方ないとして他球団が佐々城を一位で指名しなかったのは謎過ぎる

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― 新着の感想 ―
[良い点] お久しぶりです! 更新待ってましたよ! 今年はプロ野球が無いかも知れない、前代未聞の年ですけど、まずはコロナウイルスと戦い、コロナウイルスと戦う人を応援しないといけませんね。
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