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誘意夜桜  作者: 化火富 藍月
現の世界
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帰り道

いつも通る夕暮れの帰り道。


「誰だったんだろう……あの人」


相席してわたしの顔をしばらく見つめたら、すぐにどっか行っちゃった。何も言わずに。


人違い……かなぁ。 まぁいいか。


それよりも急いで帰らないと、雲行きがあやしくなってきた。


雨が降る前に………。


その時、ピチャッと冷たい水が頰に当たった。遅かった。気づいたころには無数の雨粒がわたしを襲っていた。


わたしはとっさにカバンを傘がわりに頭上に重ねながら大雨の中をひた走る。


家まではまだだいぶ遠い。ひとまず雨宿りを。

ひとまずあそこに。


選んだ場所は道路のよこでどっしりとかまえる大きな木の下。


頭上にある無数の葉っぱで雨が通らない。


しばらくはここにいよう。多分そのうち弱くなるだろうし。


わたしはカバンからハンカチを取り出し、びしょ濡れの顔を拭いた。


そして気づく。


あれ? こんな大きな木……あったっけ?

いつもこの道通って帰ってるけど、こんな大きな木なんてなかったような。


いやでも、今わたしの目の前にあるし。気づかなかっただけ?


まぁどうでもいいか。


とにかく今はここで雨が止むのを待っ……。



え?



目の前には広大な大地が広がっていた。芝生が生い茂る、広大な大地が。


空はガラス片をばらまいたように星々が煌々としている。


この光景……どこかで。

以前……たしか……何かで……。



思いだせない。

なんか霧にまかれているような……。



…………………って今はそれどころじゃない!!


どこなの? ここ?

なんでわたしこんな所にいるの?


あれ、妙なデジャブが……。


じゃなくて! どうしょう……。

わたし、このまま帰れないんじゃ……。

冷や汗が止まらない。どうしょう。



…………………………………ん?



なんだろう、向こうで紫色の光が見える。

……あれは……。


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