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協定成立
「……現在未定です……調査や報告が滞っている状態ですので」
夜は丁寧に簡単に説明した。
それに対し撫子はそうですかと言い放ち、椅子に深くもたれかかる。
そして後ろに佇んでいる背の高い黒髪のセミロングの少女を呼びつけ、耳元で何かを囁く。
少女は相づちを打ちながら了解しましたと答えた。
そしてもといた位置に戻って行った。
「では、そろそろお開きにいたしません?」
撫子はニッコリと笑顔で言葉を放った。
「………そうですね、これ以上はお互いに益を得られないでしょう、何よりも仕事に影響が出るかもしれません、なのでこの辺りで……」
夜はゆっくり椅子を引き、立ち上がりながら全員に言葉を送った。
「夜色金は各所に後日お送りします、用途は手紙で、受け取ったその一族の当主しか分からない暗号で送るので、くれぐれも他者には見せないように」
夜はそう言い残して、その場を後にした。