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多対一
書名しなければ叛逆、すれば束縛。
ならば後の約束にしてしまえばいい。
そうすれば少なくともしばらくは束縛もされず、追求も免れる事ができる。
朱音丸はそういう解釈を思いついていた。
しかし問題はどのようにしてその無理を通すかにある。
そのような見え見えの浅策を夜が許すはずは無い。
しかし夜と朱音丸は既に気づいている。
この発言はここにいる当主達全員がとうの昔に思いついている事を。
「妾もそのように」
「俺も」
「アタシも」
他の当主達も次々と挙手を上げていく。
朱音丸はこの様を見越していた、自分だけでは言葉に重みが足りない、だから多数決で決めるのが有効な手段だと、その為にはまず場をかき乱す必要があるが。
その作業は既に終えている。