摂理
ガチャッ
バタン
トスットスットスットスットスットスットスッ
スーーーーーーーーー
襖を開けると弟の挨拶が耳に入る
「おはよっ夜姉」
「...おはよ」
...?
「...夕は?」
「まだ寝てんじゃね?」
「...そう」
「俺起こしてきた方がいいかな」
コクッ
夜は小さく頷いた
「そうね~ご飯も出来てるし、
朝君起こしてきて~」
「了解~」
「それにしても珍しいわね~
ウチの子が寝坊なんて~」
「...ん」
夜は小さく頷いた
「どこか体の調子でも悪いのかしら~
でもウチの子に限ってそんな事は...」
「...大丈夫...」
夜は不安を抱く母を落ち着かせる為、
冷静な声でその場を制した
「そうよね~、だって私達はびょ...」
母が何かを言い切ろうとした時
聞き慣れた声が母の会話を遮った
「おはよ~~」
「あら~おはよ~夕ちゃ~ん♪
どうしたの~寝坊なんて~
お母さん心配しちゃったんだから~」
「ごめんね~何か変な夢見ちゃってさ~
多分寝坊したのはそのせいだと思う」
どんな夢だったかは忘れたけど
「変な夢~?」
「うん、どんなだったかは忘れたけどね」
忘れるなんて事、今まで無かったんだけどなー
「ふ~ん」
「........」
時間は有限、それが摂理
もう残りの時間は少ないって事か...
ボソッ「本.....また読めるかな」
「夜姉今何か言った?」
「.....別に...なんでもない」
時間は有限
残されている平和な時間を大切に過ごそう。
いずれ来る運命の日まで.....。