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誘意夜桜  作者: 化火富 藍月
現の世界
79/100

安地

「………」


不意に動きを止め、噴火寸前の山を見据える夜。


「何してんの! 噴火に巻き込まれるわよ!!」


「……ん」


夜は一言返すと夕闇を追うように走った。


三人はもうすでに山を出ている。

後は安全地帯までひたすらに走るだけだった。


山はとうに噴火している、灰色の巨大な煙が地を芋虫のように這い進み、ポップコーンのように大小様々な岩が弾け飛ぶ。


夜達は少しでも危険を減らす為に、森の中を風のように走り去っていく。

そんな中でゴッという鈍い音を夕闇の耳が捉える。


振り返えれば朝が倒れている、どうやら尻に弾丸のように小石が直撃したようだった。

夕闇は思わず吹き出して、朝を罵倒しはじめる。


「ダッサ!!」


朝は目くじらを立てて、怒りをあらわにするが、今はそれどころではないと飛び起き、また走りだした。


復讐するのは帰ってから、と誓ってから。


一方の夜は感覚を研ぎ澄ましていた。

先程香りのように漂ってきた僅かな気配を警戒しての事だった。

しかし、ものの数秒後には靄のように薄れ、消えてしまった。


夕闇も走りながら背後に感覚のセンサーを放っていた。


だが特に何事もなく森を抜けて、町の入り口に出た。

ここまで来ればもう石は降ってこない。

後は分家の夜津金一族が落ちた隕石を回収後、起きた被害の修復をする。


夜達は町の入り口に立った。


今は深夜の四時頃、入り口には三人の仮面を被った者達が待っている。


母親の部下達だった。

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