月の花
「うむ........悪くない..........だが少し早いな...」
ここは様子を見よう...焦りは禁物だ
だが悠長に事を運んでいては
時間が足りないのも事実
「そうだな...ここは.....」
まぁいいか
どのみち不完全だろうが
成って貰う事に変わりは無いからな
「ここはじっくり実が熟すのを待つとしよう」
さて次は...と
分厚い本をパラパラと捲っていく
次は...この子か...住所は.....遠いな
二時間はかかってしまう
今の内に食事を済ませておくか
☆
「おはよ~~」
「ん...おはよ」
挨拶をしてきたこの子は
白花 凛香【しらはな りんか】
癖毛に白髪ショートで青い瞳と整った容姿が印象的な私の友人である
「相変わらず本の虫ね」
「ん...好きだから」
「そんなんじゃ彼氏出来ないわよ?」
「いらない」
「即答ですか」
本当に本以外興味無いのよね~この子は...
私も本は読む方だけど...
「今日はなに読んでんの?」
「月の万華鏡」
「どんなストーリーなの?」
聞いた事無いわね
「万華鏡職人の少女が月の満ち欠けを
利用した新しい万華鏡を作る話」
「ふーん」
いまいち想像出来ない
「面白いの?」
「...まぁまぁ」
「じゃあ読み終わったら私に貸してくれない?読んでみたいから」
「ん...いいよ」
夜は小さく返事と共に頷いた
「ありがと♪」
今日も平和だな~
帰ったら本でも読もうかな♪