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誘意夜桜  作者: 化火富 藍月
現の世界
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踵を返す

無数の黒い手の勢いは増すばかり。

夕闇と朝が捕まるのはもはや時間の問題だった。


封印にはいくつか種類がある。


一つはあらかじめ地に術字を書いておいて魔法陣状に発動させるタイプ。


このタイプはこの界隈では一番一般的なものだ。

だが、今回は字をほどこす暇がないため、不可能。


二つ目は自分の神経を魔法陣の代わりとして使役し、術を発動させるタイプ。

今回はコレしかない。夕闇はすでに決めていた。


この術のメリットは字を書かずとも発動できる事、つまり、てっとり早く術を発動できる事にある。


では何故だれも使おうとしないのか

それはメチャクチャ痛いからである。


自分の神経の中に高い密度の魔力を流しこむのは

自殺行為に等しいと言っても過言ではない。

全身に溶岩が流れこんでくるような痛みに耐え続けないといけない。


この方法ができるのは彼女達一族の強靭な肉体が

あってこそできる。

常人がやればたちまち肉体が消し飛ぶ。

運が良ければ身体中がつぎはぎだらけで済むかもしれないだろう。


そして今現在


その方法ですら危うい橋だった。

小川の中腹を過ぎ、あと少しで山の麓に着いてしまう所まで下りて来てしまった。


引き返すか、なんとかして術を発動させるタイミングを作るか。二つに一つ。

決断はすぐそこまで迫って来ている。


やむを得なかった。夕闇は後者を選んだ。

足を止め、踵を返す夕闇。


すると目の前に巨大な魔法陣が展開された。




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