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誘意夜桜  作者: 化火富 藍月
現の世界
60/100

血だまりの決戦

目の前の邪眼は赤黒く光っていた。


その瞳に映った者は食い殺されるか

生涯に渡って祟られるだろうと言わんばかりに。


瞬間


頭上に赤い線がほとばしる。

それは闇夜に絵の具の赤を筆で伸ばすように

描かれる邪眼の軌跡だった。


夕闇は咄嗟に横へ横転する。

嫌な予感が脳裏をかすめたのだ。


そしてその約二秒後に予感は的中した。


夕闇の十倍近くあるウエストと身長を持つ

巨大な樹木がバキバキと音をたて、倒壊した。


一瞬の出来事だった。


夕闇は何をしたのか理解できず

その光景をただ静視していた。


しかし、またしても頭上に赤い軌跡。


だが、今度は少しスマートな避け方で受けると

夕闇は決断した。


その避け方は


「真っ向から受け止める!!」


というものだった。


姉である夜ならばこの方法は絶対に使わない。

言わずもがな当たった時のリスクが大きい為。

そして避けた方が無難だからだ。


しかし


夕闇はあえてその手段を選んだ。

理由はかんたん。

捕まえる為だ。


ドオン


という土管が破裂したような

壮大な音が周囲に響く。


そしてその音が起こった現場は土煙に覆われた。


ポタリ


赤子の涙のような小さな赤い雫が滴り落ちる。

二滴、三滴と連続で同じ箇所に落ちていく雫。

やがて落地に小さな血だまりができた。


「捕まえた」


嬉しさと達成感で笑みがこぼれる。

血で覆われた両手は男の足首を力強く捕らえていた。


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