表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
誘意夜桜  作者: 化火富 藍月
現の世界
59/100

鋼の覚悟

藪から勢いよく飛び出す夕闇。


ゴロゴロと横転を繰り返し

木葉が付着した頭を慌てて起こす。


目の前には眉間を貫かんと直進してくる白刃。


咄嗟に刃の横を打撃。

結果、刃の矛先はわずかにずれ、頬を薄く切り裂く。


夕闇はすぐに剣を両手ではさみ

横からの連撃をふせぐ。


「くぉんのお~~!!」


全力で剣を押さえる夕闇に対して

男は腕の筋肉を連なる山脈のように隆起させて

押してくる。


ポタリポタリと落ちる血のしずく。

地面は音もなく吸い上げる。


綱引きのような力の押し合いは七分続いた。


「いい加減、くたばれよぉ!!嬢ちゃん!!」


苦笑しながら夕闇はやだねと返し

男のみぞおちを蹴り上げた。


ぐっという声を漏らしながら後ずさりする男。


夕闇はすぐに脱兎の如くひた走る。


しかし


足元に白刃に光る刀がダーツのように飛び刺さる。



間髪入れず

歩みをとめた白い足下にさらに木の枝が刺さる。


連続して飛んでくる木弾を避けていく内に

いつの間にか元の位置まで戻ってしまった。


「しつこいわねぇ!」


左眉をピクピクと動かしながら

苛立ちをあらわに、思わず本音が漏れる夕闇。


男のダメージはすでに霧散しており

今にも襲いかかってきそうな気迫に満ち溢れている。


首をポキパキ傾け鳴らしながら近づく男に対し

夕闇はふと何かに気づいて頬に汗を一滴垂らす。


男の目は邪眼に変わっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ