表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
誘意夜桜  作者: 化火富 藍月
現の世界
53/100

果たして

山の冷たい風が朝の頬をそっと撫でた。


「んっ......ここは......ああ、そうか」


どうやら木陰で休んでいる内に寝てしまったようだ。


「敵は......いないか」


朝は左右をキョロキョロと流し目で確認した後

敵がいない事に安心し、そっと胸を撫でおろした。


「さてっと」


いつまでもここには居られないと思った朝は

木にもたれ掛かっている自分の体を起こそうと

体に力を入れる。


しかし


「痛ッ!!......ああ、そうだったそうだった」


朝の左腕は流血は止まっているものの、傷は深い。

無理に力を加えれば

いつ傷口が開いてもおかしくない状態だった。


なんとか左腕を庇いながら

右腕と下半身だけの力で立ち上がる。


しかし全身に蓄積されたダメージが

朝の意識を朦朧とさせた。

視界が歪む。しかし歩けない程じゃない。


「ん? 煙?......山火事じゃあ.......無さそうだな」


ニヤリと笑い、何かを察した朝。


「待ってろよ、夕姉!」


朝は左腕の傷を押さえながら

フラつく頼りない足取りで黒煙の立つ丘へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ