人の在り方
ピンポーン
ガラガラガラ
「おはようございます」
頭を少し下げて私は目の前の方に挨拶をした
「いらっしゃい夜津葉ちゃん♪」
その御方は毎日迎えに来る私を
優しく微笑んで迎えてくれる
「今日も良く来てくれたわ~♪
さぁ上がって上がって夜津葉ちゃん♪」
私はこの御方が大好きだ、優しくて温かくて
一緒にいると心の底から安心する
私は深々と頭を下げながら
「お邪魔します」
と告げた
「育ち盛りなんだからいっぱい食べてね~♪」
ゆったりとした口調で食事を促された私は
感謝の気持ちを丁寧に伝える
「ありがとうございます、
ではお言葉に甘えさせて頂きます」
私は朝はここで食事していくのだ
本来仕えるはずの名家、仕事の話を除いて
話しかける事は許されない家柄
にも関わらずここの人達はそれを拒んだ
「私達と君達は家柄の上下関係はあるが
人としての上下関係は無い」
というのが理由だと聞いた
私のイメージでは家柄に厳しく私語も厳禁で
人を物のように扱うような一族だったのだが...
私が思っていたていた一族とは
あまりにも大きくかけ離れていたいた
今では勝手な思い込みしてごめんなさいと
心の底で謝罪している。
私が思うに
ここの人達は代々こうなのだろうと思う
社会的な在り方は気にしても
人の在り方は気にしない
家柄とか血筋とかは建前で
本当は常に周りの人達を気にかけているような
優しい方々なのだろうと思った。
だから私は生涯この家に仕えていこうと思う
精一杯の恩返しをして
私だけじゃなくここの人達も
幸せになって貰いたいから
だから私は今日も幸せだ