茶番劇
クスクスクス
「少々強引だったかしら」
でもまぁ
こうでもしないと夜が明けちゃうからねぇ
「少しは自分達の立場を理解して欲しいわぁ」
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「ここは......」
先程までいた場所ではない
夕闇は悟るようにすぐさま理解した。
暗い木々に生い茂った大地
周りを漂う空気も微妙に違う
「何か化けて出てきそうな森ね」
夕闇は道なき道に歩を進める
はぐれてしまった弟と姉を探す為
そして
ここ、境界山にいる目標を探し仕留める為
「本当、誰の仕業かしら......こんな“茶番”」
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「......。」
先が見えない程の濃霧
瞬間
高速の何かが濃霧の向こうから飛んでくる
「......。」
流し目に横へ避わす夜
物体は霧の向こうへと再び姿を消した
しかし
「......!」
一体二体三体と物体は数を増やし
濃霧の向こうから弾丸の如く飛んでくる
右肩に右膝、胸部及び頭部へと
それでも夜は難なく全て避わす
しかし
「......避けると増える」
物体はどんどん数を増していく
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クスクスクス
「いつまで持つかしらぁ、ご当主様ぁ」