睨み合い
二つの剣が踊り舞う
キィン
長い碧髪が月天下に乱れ舞う
ガギ キィン
揺らぐことの無い意志が
「はあ!!」
目の前の悪鬼厄災を討つ
「やるじゃねえか!」
手に持った長刀を月天に掲げ
敵の鎖骨めがけて豪快に振り下ろす
「嬢ちゃん!!」
「どうもっ!!」
瞬時に身を屈め、斬撃を回避しすぐに後退する
「一応言っとくけど」
「あん?」
長刀を肩へ置き、口角をやや上に向け
見下ろすように見つめる蛇眼の男
「俺は......男だ!!!」
眉間にしわを寄せて
今日一番の怒声を敵に浴びせる朝
あぁくそ!何でこんな事態になっちまったんだ
さっきまで山への道を歩いてたはずなのに......。
急に霧が濃くなったと思ったら
いきなり敵が目の前に現れて、そこから......。
「はあ? 何言ってやがんだ、嬢ちゃん」
左眉をつり上げ、顔を傾けながら
呆れた顔でいっしゅうする蛇眼の男
「だぁ! かぁ! らぁ!俺は男なんだよ!!」
前屈みになり自分の性別を熱叫する朝
「どうみても女じゃねぇか!
その声といい、見た目といいよぉ」
長刀の切っ先で朝を指し
女である要素を冷静に並べる蛇眼の男
「ぐっ!それは......」
確かに!俺の見た目は女だ。
髪は長く、肌は白くてきめ細かい。
オマケに声まで......。
「安い嘘つきやがって、馬鹿が!」
男は目を細め、蔑むような口調で小馬鹿にする
「嘘じゃ......」
「まぁいい、そんな事より......」
男は遮るように言葉を並べた。
「お前......本気じゃねぇだろ」
瞬間
二人の間に流れる空気は絶対零度の領域と化した