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安心
竜巻は弱々しくもどんどん高度を上げていく。
この高さならもう
ほとんどの攻撃は届かないだろう
そう“ほとんどの攻撃”ならば
突如地上から斜め上空へ
朱色の光が竜巻の中心を貫く
貫かれた竜巻は遥か上空で霧散し消失した。
「危ない危ない」
夕闇は安心した様子で空を眺めている。
「夜様...」
「.....」
夜は視線を尖らせ上空を眺める
そして
街全体を見渡し夜津葉に聞こえる声で呟いた。
「.....確かに........“記憶した”...」
「では...」
「.....うん」
木を羽の様に静かに飛び降りた後二人は
風の如く一瞬で消え去りその場を後にした。