黒金の斧
「何ぼ~っとつっ立ってんのよ」
自分の方を見て呆けている朝に渇をいれる夕闇
「あっああ、悪い悪い」
ハッと我にかえりいつも通りの態度で接する
朝
「? まぁいいわ、
今はあの趣味の悪い斧を何とかしなきゃね」
どこかたどたどしい朝の態度に疑問を
胸に抱きながらも先の斧へと視線を向ける
「所でいつから俺の影に?」
蔵王を前へ構えつつ朝はずっと疑問だった事を
夕闇に問うた
「あんたがここに来る少し前よ」
本当は敵が来た時にいつでも不意討ちかませる
ようにスタンバってたんだけどね
でも相手が物じゃあなぁ、
不意討ちの仕様が無いわ
「全然気づかなかったよ」
驚いた様子で返事を返す朝に対して
夕闇は少し誇らしげな顔をしている
「まぁ気づかれない様に入ったからね
それはそう.....」
ズオン
突如黒金の斧が夕闇の言葉を遮る
大きく長い5メートルはあろう
重厚な黒金の斧が夕闇のこめかみめがけて
横に勢いよく振られた
それに対し夕闇は素早く上半身を後ろに曲げ
逆くの字の態勢で攻撃を難なく避ける
「と...」
まさか何の前触れも無しに攻撃して来るとはね
油断はして無かったけど
夕闇はさっき言いかけていた最後の一文字を
言いながら避けるとそのままの態勢で
ばく転して後ろへ後退し距離を取った
すると