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朝
「また...か..」
虚ろと哀れみを含んだ声で私はそう呟やいた。
人は何らかの役割や意味を抱えて生まれてくる
でなければ生まれる意味が無いからだ
少なくとも私はそう思っている
私は自分が何故生まれてきたのか把握している
役割や意味を知っているから
だから私はここにいる
ここにいて...ここにいて...またここにいる。
「まあ...初めから分かりきってた事だけどね...」
私はとうに諦めているから
いや...諦めるしか道が無かったと言うべきかな
「しょうがない.....よね...」
☆
午前7時16分
窓のカーテンから朝の日差しが降り注ぐ
「んん....朝か...ふぁ~~あ」
あくびをしながら上体を起こし
ゆっくりベッドから降りた。
今何時だろ?
机の上にある懐中時計を手に取り
時刻を確認しようとした時
ドアをコンコンとノックする音が聞こえた
誰?と思いドアの方を向くと
「おーい夕姉~朝だぞ~起きろ~!」
弟の声だ
「起きてるよ~」
あれ?
私寝坊しちゃった?
改めて懐中時計を見ると
7時16分を指していた
16分寝坊しちゃったか
珍しいな
いつもは毎朝7時に起きてるのに
まぁいいやご飯食べよう!