真夜中の死神
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃ~い」
あの子なら大丈夫だろうけど...
やっぱり心配だわ~
でも夜ちゃんから誰にも言うなって
無言の眼差しされたし~
「どうかしたの?」
「! なっ何でもないわよぉ~」
「.....そう、じゃあ【行ってくる】ね」
もうバレバレだよ...
「いっ いってらっしゃ~い」
ふぅなんとかごまかせたわ~
ガラガラガラ
ピシャン
僕は玄関の扉を締めた
「あれでバレてないと思ってるんだから...」
まぁいいや、今はそんな事よりも
早く夜姉達に合流しないと...
「とりあえず...二人が行きそうなとこ
手当たり次第当たってみるか」
遅刻覚悟で.....
▼
それは一瞬の出来事だった
何もおかしい事では無い
目が乾いたから普通にまばたきしただけだ
ただその出来事は、まばたきをして
視界が暗闇になった一瞬に起こった出来事...
だと思う
「では、ここからは本気で命を殺りに.....え?」
ドツ
そうゆう音が聞こえた気がする...
一瞬何が起きたのか分からなかった
でもそんな事はどうでも良かった
起きた事実よりも
ただ目の前の激痛に耐える事が精一杯だった
「ああああああああああ!!!??」
「.....」
「ああァァ!!目があぁ!!!」
何??何が起こったの???
突然目に激痛が!!
痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!
ザズッ
「ッッッッッッッッ!!」
ァァ!!足が~~ッッ!!
この痛みと感触は.....刺された?
ガツッ
「ばッッ」
今のは分かる
打たれた...バットのような物で...
多分あの長い布袋で.....
ヒュッダァンダァンゴロゴロゴロ
あははっすごいなぁ
私、マンガとかで見る転がり方してらぁ
ぶっ飛ばされて、跳ねて、地面に倒れこんで.....
ああそうか..私死ぬんだ.....殺されるんだ.....
ここで...
逃げなきゃ...早く...ここから...逃げなきゃ.....
あれ?...おかしいな...体が動かない...
逃げないと...殺されちゃうのに.....
ザッザッザッ
!!
お願い!!お願い動いてよぉ!!!
ザッザッザッ
早く!!早く動いてよぉ!!
ねえってばぁ!!!
ザッザッ
「ああ!ああああ!!」
嫌ッ!!嫌ァッ!!!
死にたくない死にたくない死にたくない
死にたくない死にたくない死にたくない
助けて!!!誰か助けてよぉ!!!
「....皆そう思っていただろう...」
「...え?」
「.....お前に襲われた人達は
皆そう思っていたはずだ.....」
「う...」
「.....なのにお前は殺した.....」
「なんで.....分かるのよ....殺したって」
「...分かるよ....匂いと気配で...」
「気配....?」
「...そう」
「そんなあやふやな物で....」
「...あやふやじゃないよ」
「あやふやよぉ!」
「......鍛えれば誰だって出来るよ...」
「.....」
「...私達一族は...人より
五感と第六感が並外れて優れてる」
「...」
「...中でもで私と妹達はさらに特別鋭いから」
「もういいわ...好きにして頂戴.....」
「.....」
「どうせ...逃げきれないし」
「...そうだね」
「だったらもう.....いっそのこと...楽にして...」
「...............分かった」
「ぐすッ」
「.....最後に何か言い残す事は?」
「.....ごめんッなさい.....」
「......................さようなら...」
ズバッ