三世ノ神
タッタッタッタッ
「確かこの辺りから...」
何か妙な気配がしたから慌てて来たはいいけど
特に何も無いわねぇ
気のせいだったかしら?
「でも...さっきは確かに.....」
ヒュッ
「!」
夕闇は自分めがけて飛んでくる何かを
体を横に反らして避けた
「.....斧」
見た感じ...というか大きさ的に普通の人間が
持てる重量じゃ無いわね
「オイオイ、マジかよ!」
「!」
コイツが気配の正体か...
牛のような頭部
太い腕...まるでドラム缶ね
足も同様
あと全身筋肉質か...
「死角から絶好のタイミングで投げたんだぜ?
なのにお前は一瞬でこちらに反応し、
難なく斧を避けた.....お前...何者だ?」
「さあ...何者かしらね」
「へぇ~教えられない理由でもあるのかい?」
「敵に正体晒す馬鹿がどこにいるの?」
あまり近づき過ぎない方が良いわね
捕まったら面倒そうだし...
「そうかい、なら力ずくで聞くだけだ!!」
「あらごめんなさい、
馬や鹿じゃあ無くて牛だったわね」
夕闇は皮肉と笑みを混ぜた顔で言い放った
「人間が!!」
「人間ですけど?」
「図に乗んじゃねぇ!!」
牛の怪物は腕を大きく振り上げ、
蚊を潰すように平手を
夕闇めがけて振り降ろした